お金は「経済の血液」によく例えられます。
人体に流れる血液と同じで、お金が上手く社会に流れていないと、あちこちに支障が生じるからであります。
この本は経済とお金に絡むさまざまな事象を、わかりやすく面白く紹介し自身の大切なお金が奪われることなく、楽しく愉快に人生を送っていただけるように書かれた本であります。
こんな人に読んでほしい
この本は世の中の経済に関する事象に懐疑の目を向け、不都合な真実を暴いております。
勉強になったと思った事10選
内容盛りだくさんになっておりますので独断と偏見で「勉強になった、知ってほしい」と思った内容を厳選しました。
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9割もの世帯が「生命保険」に加入している理由
9割近くの人は生命保険に加入しております。
- 医療費や入院費のため
- 万一のときの家族の生活保護のため
日本の生命保険料は欧米に比べて2,3倍も高く、毎月払う保険料の6,7割は店舗や人件費、広告費などのコストに消えております。
病気や怪我で高額医療費がかかったとしても公的健康保険の「高額療養費」制度でカバーされるため、数万円程度の負担で済みます。
「72の法則」と「100の法則」を知っていると便利!
元本が何年で2倍になるかを知るときの目安として使われる法則
- 「72の法則」
- 複利
- 年率7%の複利の金融商品であったら「72÷7=10」なので元本が2倍になるのに10年かかります。
- 「100の法則」
- 単利
- 年率7%の単利の金融商品であったら「100÷7=14」なので、元本が2倍になるのに14年かかります。
「各国の通貨価値」はどのようにして決まるのか?
「ドル安で円高だ」とか「ドル高で円安だ」などと言いますが、こうした通貨の交換価値を決定付けるのは「為替レート」になります。
- 各国の「金利水準」
- 米国の金利が高いと米国ドルが買われ、日本円を売りドルを買うので円安となる
- 貿易収支
- 日本が輸出で稼ぐとやがて自国通貨に換える働きで需要増となり円高となる
「日本人の賃金」が下がり続けている理由とは?
日本人の賃金は下がり続けております。
2020年のOECD(経済協力開発機構)による平均年収の調査ではアメリカ6万9392ドルに対し、日本は3万8510ドルにすぎません。
この金額は購買力平価換算の為物価も考慮されております。
- 労働組合の組織率が16%台ゆえに賃上力も弱い
- 中小零細企業の比率が99.7%ゆえに生産性が低い
- バブル崩壊以降、大企業が警戒心を強め、賃金を抑制。
- 内部留保額が膨らんでいる
- 利益を人権費にも設備投資にも回さない
賃金が増えなければ、消費が伸びず、内需が減少するのでデフレの脱却もできない。
「老後2千万円問題」とはいったい何だったのか?
2019年に金融庁が公表したレポートが物議を醸しました。
内容としては「老後の夫婦の生活費は厚生年金だけでは不足するので2千万円は必要」というものです。
しかし、自営業の人の場合はもっと厳しく生涯自営で働く事が前提の為、少ない国民年金だけしか収入の支えはありませんので、2000万円では到底足りないのです。
無職の老夫婦の平均支出額が少なく見積もられている事、日本人の平均寿命は延びてきておりその分医療費や介護費が発生する為、老後資金は2000万円では足りないのではと思われます。
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「消費税」とはいったい何を意味するのか?
消費税は非常に不公平な税と言われております。所得税や相続税のように稼ぐほどに税率があがる累進構造ではなく、所得の低い人にとっては負担の比率が重くなる仕組みとなっております。
消費税があがる理由としては、所得税率や法人税率を下げ、税収が下がった補填で消費税は上がっているのです。
高額所得者や大企業への優遇策にしかなっておらず、消費税の増税は消費行動が減る事に繋がり、景気を押し下げる要因となります。
大企業ほど「法人税の実効税率」が低いカラクリ
日本の法人にかかる税金は法人税のほかに法人住民税や法人事業税などがありますが、これらを合計した所得総額に対する割合を「法廷実効税率」と呼び、現在29.74%になります。
しかし、大企業ほど各種の減税優遇措置があるため、上記の29.74%を大きく下回っているのが現状です。
そのため、資本金10億円以上の大企業の内部留保額は2019年に475兆円にまで膨らんでいます。
大企業ほど税制優遇されるのは政権与党への政治献金のおかげになります。
政治献金とは「合法賄賂」とも呼びます。
エビで鯛を釣るが如く、少ない元手で大きな収穫(税率減)につながるからです。
日本の政治家は世界一の好待遇
国会議員の待遇
国からの現金収入:年間約5,000万円超
その他の収入:政治献金、企業の役員報酬
その他の優遇:JR全線グリーン車乗り放題パス・その他私鉄など
地方議員の待遇
都道府県会議員:平均年収は約2000万円超、全国に3万3500人もいる(議会は年間90日程度)
市議会議員:平均年収は約850万円(議会は年間80日程度)
町村議会議員:平均年収は約450万円程度(議会は約40日程度)
人口3億3000万のアメリカの上下両院議員数は535イン(日本は衆参で710人)で直接報酬は1800万円程度にすぎません。
日本の「国民皆保険制度」がもたなくなる?
日本の「国民皆保険制度」は世界に誇れるものであります。国民の誰もが医療費負担おおむね3割で医療を受ける事ができます。2019年度の医療費の2割が薬剤費であり、医療費の伸びで心配されるのが、薬剤費でありました。
これまでに効果がある高価な新薬が生まれてきては、保険適用となっております。
- 皮膚がんの治療薬のオプジーボは100㎎で73万円
- C型肝炎の治療薬ソバルディは約520万円
- 脊椎損傷のステミラックは1500万円
こうした高額治療費を使っても、日本の健康保険制度では「高額療養制度」があり、患者負担はわずかとなります。
高額な新薬が次々保険適用されると、国民皆保険制度ももたなくなりそうで薬価の引き下げは喫緊の課題となっています。
製薬メーカーの薬価には問題があります。保険適用の薬価は国が定める行程価格です。メーカーは薬の性能や薬価の根拠、予測投与患者などは厚労省に審査申請します。
しかし、薬の開発費は企業秘密の壁に阻まれ、実は闇の中なんです。
「税金は貧しい人から取ればよい」という政策の真実
税金は貧しい人からとれば良いと実際のところなっております。
所得が多い個人や企業になるほど、税金を払っておりません。それは税制には抜け道が多いからであります。
政治家は「政治献金」によって大企業や金持ちに有利な政策に走ります。税収の減る分は国民に広く網をかける消費税をあげれば補填できると考えられてきました。
政治家は選挙の時は「きれい事」を言い、結局は「私利私欲」の為にやっているのです。
新型コロナ感染拡大時でも業界団体の長を兼ねる与党大物政治家は2兆7000億円もの予算を組んで「GO TOキャンペーン」を実施してあげました。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
この本はわかりやすく経済やお金に関する事について書かれていて、経済やお金の事に興味があるけで自分には難しいと思っている人は手に取ってみてはいかがと思います。
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