2022年本屋大賞にノミネートした「六人の嘘つきな大学生」で大注目の著者、浅倉秋成の新作「俺ではない炎上」を読んでみました。
結論から申し上げると「めちゃくちゃ面白い」です。
ミステリー好きな人にはとてもおすすめになりますが、気になっている人に向けてあらすじを紹介していきたいと思います。
※ネタバレも含みますのでご注意をお願いいたします。
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あらすじ
本作品はSNSの炎上がテーマになっております。
登場人物
「俺ではない炎上」の登場人物を紹介します。
本作品は以下の4人の目線から物語が展開していきます。
- 山縣泰介
- 主人公、何者かに犯人に仕向けられる
- 大帝ハウス(大手ハウスメーカー)大善支社の営業部長。
- 高収入、人望もある
- 山縣夏海
- 山縣泰介の娘
- 過去にネットで知りあいになった人物とトラブルになりそうになる。
- 堀健比古
- 警察
- 今回の女子大生殺害事件の捜査担当。
- 住吉初羽馬
- 大学生
- 社会派サークルのリーダー
- 住吉初羽馬のリツイートがきっかけで炎上する
その他登場人物は以下の通りになります。
- 山縣芙由子
- 泰介の妻。泰介とは大帝ハウスで出会う。現在は化粧品のコールセンター勤務
- 野井
- 泰介の部下。問題のツイートが拡散された頃は泰介と営業同行をしていた。
- 青江
- シーケン(泰介の取引先会社)の担当
- 泰介の仕事に対する熱量と青江の仕事に対する熱量に差があり、泰介は青江を苦手としている。
- 無愛想でやる気が感じられないが実は、、、
- 六浦
- 県警捜査一課所属。堀と共に女子大生殺害事件について捜査にあたる。
- 篠田美沙
- 女子大生。殺害事件の被害者
- 後にマッチングアプリを使い、美人局的なことをしていたことがわかる。
- 江波戸琢哉
- 夏海の友達
- サクラ(んぼ)
- 住吉初羽馬の知り合い
- 篠田美沙の友達
- 山縣泰介を住吉初羽馬と共に捜索する
衝撃的なツイートから話が展開していく。
住吉初羽馬は朝食をとっていたところ、サークルの友人がリツイートした「呟き」を見ておりました。
内容は以下の通り。
「血の海地獄。さすがに魚とかとは違う。臭いがだいぶキツイ。食欲減衰。しばらくご飯は食べれないなこれは」
というコメント共に20代と思われる女性の写真でありました。
その写真はコメントにもあるとおり、女性の腹部から血がでているこことが確認できる過激なものでありました。
更に最新の呟きには、生気のまったく感じられない青白い指先の写真が添付されており、謎のコメントが残されておりました。
「文字通りのゴミ掃除完了。一人目のときはちゃんと写真撮っとけばよかった。『からにえなくさ』に持ってくかどうかはまだ考え中」
『からにえなくさ』という謎の文言があったが、初羽馬はついに一連の呟きが嘘、いわゆる「釣り」とは思えなかった。
初羽馬はまだ26件しかリツイートされていないこの呟きを皆に拡散したいという気持ちが大きくなり、27番目のリツイートをしてしまった。
初羽馬のフォロワー数は1000人ほどで、同年代の女性もいれば、界隈では有名なIT系ブロガーもいた。
ツイートをしたのは一体誰??
このツイートは大炎上していた。
ネット特定班はすぐにこの過激なツイートをした正体を暴くべく、動いていた。
問題のツイートをしたアカウントは「たいすけ@taisuke0701」で、アイコンは芝生の上に置かれたゴルボールの写真であった。
アカウントが開設されたのは、約10年前であり、過去には頻度こそ少ないものの生活感のあるツイートがされていた。
趣味のゴルフグッズの紹介であったり、一緒にラウンドする仲間がほしいといった内容であった。
「たいすけ@taisuke0701」の過去のツイートから大帝ハウスに勤める大善支社の営業部長の「山縣泰介」という人物であることが判明した。
山縣泰介の逃亡が始まる
その頃山縣泰介は部下の野井とともに、取引先であるシーケンの営業担当青江と打ち合わせを行っていた。
シーケンが満を持して投入するコンテナハウスを大帝ハウスが代理店となって販売していくプロジェクトの打ち合わせであった。
青江はいつもながら無愛想でやる気が感じられなく、山縣は青江の思うような資料ができておらず青江に資料の修正を依頼していた。
打ち合わせが終わり、ファミレスで昼食を取っていたところ大学生と思われる若者に写真を取られる。帰り道に支社長から電話があったが興奮しており、内容がわからないなど、何かがおかしいと感じていた。
事務所に帰ると興奮した支社長からすぐに呼び出され、例のツイートについて触れられ泰介は自宅謹慎を命じられる。
とりあえず帰宅をするも何者かわからない若者が山縣泰介の自宅前で騒いでいるのが確認された。すぐに山縣泰介は警察に通報すると若者は逃げるように立ち去った。
警察は山縣の家に入りたいと言うが、山縣は自身にまったく非がないと思っていたため断り、駅前の喫茶店で仕事をすると伝え、その場から立ち去った。
泰介はビジネスホテルを借りた。そこで例のツイートの女性の遺体が発見されたとニュースで報道された。
警察に保護してもらうべきかと考えたが、会社に届いていた封書の存在を思い出す。封書の内容は以下の通り。
『山縣泰介さま 事態はあなたが想像している以上に逼迫しています。誰も信用してはいけない。誰もあなたの味方ではない。唯一助かる可能性があるとすれば、選ぶべき道は一つだけ。逃げる。逃げ続ける。それだけです。私はあなたに逃げ切ってほしい。どうしても辛くなったら「36.361497,140.465187」 セザキハルヤ』
泰介はホテルの閉塞感に息がつまり、一度自分の家に帰って荷物を取りにいくことにした。
新聞受けの中身を確認していると、小さな鍵が見つかった。その鍵が何かすぐにわからなかったが、既視感があり倉庫の鍵であることに気づいた。
こんなところに倉庫の鍵があるわけがなかったため、何者かが倉庫を触ったと思われたため、倉庫の中を確認することにした。
倉庫の扉を開けるときつい異臭が漂った。
異臭の正体は黒い巨大なポリ袋であるのはわかったのだが、中身を確認しようと持ち上げようとしたところかなりの重さ腰を持っていかれそうになる。固く縛っている結び目を解くと嘔吐を誘う濃厚な腐臭が広がった。
もう一度、ゴミ袋を確認するとそれは髪の毛であることが確認された。
女性の頭部であった。
塀の向こう側からこちらを見つめている人間がおり、そいつは悲鳴をあげた。
泰介は冷静さを失い、その人にあわてて近づくがそいつも逃げ去るように走った。しかし、あるところでこちらに引き返し、向かってくることに気づく。泰介のことを撮影しようとしていた。
泰介は混乱が絶頂に達し、逃げるしかないと駐車場の車を発進させた。
面白いポイント
犯人は一体誰なのか??
本作の一番おもしろいところは何といっても犯人が誰なのかという点になります。
本を読みすすすめていくにつれて、「お前が犯人なのか?」と二転三転してしまいます。
それくらい最後まで真犯人の正体がわかりませんし、泰介に関係のある人物皆が怪しく感じます。
山縣泰介の逃亡劇
主人公の山縣泰介は正義感の強い人物になります。警察に捕まえられてしまったら真犯人の思うままになってしまうため、逃げ続けることを決めます。
そして、自身で真犯人を見つけるべく動き出すのですが、色々な展開が待ち受けております。
山縣泰介の逃亡劇は緊張感がありますし、絶望にも近い感情を味わいながらも、犯人を捕まえるべく奮闘します。
浅倉秋成の得意なミスリード
浅倉秋成の本といえば、ミスリードです。
浅倉秋成の本「六人の嘘つきな大学生」もミスリードによる衝撃な展開がいくつもありました。
本作もミスリードがあります。(浅倉秋成の本を読んだことがある人ならばそう思っているとは思いますが)
最後まで読んだときには「まじか!」と思ってしまう仕掛けがございます。
まとめ
興味を持った方は是非本作を手にとって読んでみてください。
時代にあったSNSの炎上がテーマになっている点も面白いですし、ミステリー好きな人にはおすすめな本といえます。
浅倉秋成のトリックに翻弄されたいと思う人は是非!
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